• 子どもがいっぱいピースフルなフェス「FUJI&SUN ‘25」

5月31日(土)6月1日(日)の2日間、富士市桑崎の富士山こどもの国にて「NEC presents FUJI & SUN ’25 」が開催されました。音楽とアウトドアを楽しむキャンプインフェスとして定着し、6回目となる今年は過去最大の約7,500人が来場しました。雨の降る場面が何度かあったものの、山の上の快適な空間で、音楽やキャンプ、フード、アクティビティを、みなさん存分に楽しんでいました。どんな2日間だったのか、ワタクシ目線からレポートします!

1.まずはライブを楽しもう!

FUJI&SUN といえば、まずは音楽ライブ。
今年はメインステージのSUN STAGE、サブステージのMOON STAGE、濃密なSTONE CIRCLE STAGEの3つのステージが用意され、総勢25組のアーティストがパフォーマンスを披露しました。

私の最初のお目当ては、オープニングセレモニーの吉原祇園太鼓です。
毎年、吉原祇園祭に参加する町内からひとつの町内がオープニングセレモニーに出演し、景気付けをしていますが、今年は「昭和通り」が演奏を披露。「昭和!」の掛け声も勇ましく、6月の祭り本番に向けて、練習も佳境に入ってきている成果を存分に発揮していました。

昭和通り青年によるお囃子の披露

市長のあいさつなどに続き、いよいよステージパフォーマンスが始まります。
トップバッターは我らが吉原祇園太鼓セッションズ!
なんと今年はメインステージのSUN STAGEでの演奏です。
吉原商店街で行われたアートイベント「百花繚乱春至為誰開」で制作された衣装に身を包んで、メンバーがさっそうと現れました。この衣装、メンバーによって違う絵画アーティストがペイントしていたり、違うデザインになっていたりして、とてもかわいいのです。

吉原祇園太鼓セッションズ feat.モッチェ永井

吉原祇園祭で使われるお囃子のひとつ「オダワラ」の太鼓のリズムに合わせ、ベースやギター、サックスなどの音色が次々と重なって、ファンキーな吉原祇園太鼓セッションズの音になっていきます。
市長が飛び入りで太鼓を叩く場面もあったり、会場が盛り上がっていくなか、ゲストボーカルのモッチェ永井が登場。スカの陽気なボーカルに、さらに会場が盛り上がります。地元富士で活躍するスカバンドのTHE SIDEBURNSからTOP DOCA&ホーンセクションもサポートに入り、これからの楽しい2日間を予感させるような楽しいお祭りステージになりました。

この日はほかにトリプルファイヤー、HAL、柴田聡子、君島大空、んoon、くるり、HAPPYを鑑賞しました。
トリプルファイヤーは、新作の『EXTRA』があまりにかっこよくて、今年のFUJI & SUNでは絶対に見たいアーティストのひとつでした。「相席屋に行きたい」の情熱ほとばしるプレイが間近に見られて感激です。

トリプルファイヤー

くるりは新旧取り混ぜた選曲で、アンコールの「ロックンロール」では、ギターのうなるアウトロに、会場からは大きな声援が送られていました。

くるり

1日目は雨のそぼ降るなかステージが進行していったのですが、雨に似合う澄んだ歌声のしっとりとしたアーティストが多く、霧でけぶる様子もまるで演出かのようにしっくりきていました。

太陽が顔を出した2日目は、タブラ奏者のU-zhaanから始まりました。
まず、こんなにたくさんの音を、ひとつの身体から生み出せるのかということに驚きます。「昼ごはんを食べ過ぎて、眠くなって、勉強をしないでお母さんに叱られる子供の歌(うろ覚えですがこんな感じです)」での、タブラの超絶技巧とコミカルな動きで沸かせたあと、盟友の鎮座DOPENESSが登場すると、会場はすごい盛り上がりに!
リスペクトする先人たちを歌った「BUNKA」の最後、「世界に広がるタブラの文化 みんなも叩けばいいんじゃないか」と歌った直後のタブラの演奏が素晴らしくて、この瞬間に立ち会えただけでも、今年のFUJI & SUNに来た甲斐があったと思えるほどでした。

U-zhaanと鎮座DOPENESS

この日はほかに井上園子、サム・ウィルクス・カルテットft.中村佳穂、betcover!!、鎮座DOPENESS、森山直太朗、七尾旅人、ハナレグミを鑑賞。
森山直太朗さんは「どこもかしこも駐車場」を歌ってくれました。ここ数年、富士駅周辺に駐車場が増えたのを見るたび、この曲が頭の中を流れていたので、富士市で聴けたことに、しかも目の前で聴けたことに感激してしまいました。

森山直太朗

七尾旅人さんのステージでは、歌の背景を交えながら披露、ガザに起こる悲劇を伝える場面もありました。途中で雨が降り出すと「濡れないようにステージに上がってきなよ」と客席にうながす姿に、強さの中にある優しさを感じました。

七尾旅人

2.おいしいフェス飯を食べよう

FUJI & SUNはフードも魅力的です。
今年新設されたWonder Culinaryは少し奥まった場所にあり、フェスの束の間の休息が取れる場所として、気に入って何度も訪れました。その中にある世界のラグジュアリーインターナショナルホテルで腕をふるったフレンチシェフがプロデュースするビュッフェランチでは「おいしい!幸せいっぱい!」という声が聞こえるほどで、食べられなかった私は「来年は必ず食べるぞ!」と心に誓いました。

おいしそうなビュッフェランチ

もちろん今年も富士市の名物「つけナポリタン」と「富士山ひらら」も登場。寒かったので富士山ひららであったまる人も多かったようです。
また地元富士市のブルワリー「ROUGH&LAUGH BREWING」が特別醸造したオフィシャルビール「フジアンドサン」は、パッケージもかわいく、すっきりした味わいでみんなを笑顔にしていました。

オフィシャルビールを片手にライブを楽しむ方もたくさんいました

3.楽しくお買い物をしよう

マーケットブースもお楽しみがいっぱいです。
フェスにはなぜか、靴下を売る店が出店していることが多く、私はフェスに行くと、だいたい靴下を買います。今回出会った靴下屋さんは廃材となった布をアップサイクルして作る靴下で、柄がとってもかわいい。どれにしようか迷ってしましました。

とってもカラフルな靴下たち

富士市観光PRブースでは、富士市のシティプロモーションキャラクターさもにゃんがデザインされたFUJI & SUN‘25限定ふじがちゃと、FUJI & SUN‘25コラボのトートバックが!しかもアンケートに答えると、マグカップかエコバックももらえちゃいました。
もうひとつ富士市のブースとしては、コアレックス信栄のブースがあります。ここでは昨年のFUJI & SUNで出た紙ごみを再資源化してトイレットペーパーにし、くすの木学園のみなさん、静岡住みます芸人のぬまんづのおふたりと一緒に来場者に配っていました。富士市の技術が生かされています。
エコステーションは各エリアに設置され、ゴミの分別がしっかりと行われています。ここで集まった紙ごみが、また来年のトイレットペーパーになるんですね。

コアレックス信栄とくすの木学園とぬまんづのみなさんで、トイレットペーパーを配っていました
エコステーションでしっかり分別!

4.のんびりゆったりチルスペース

FUJI & SUNはガツガツとコンテンツを攻めるだけでなく、のんびりできるスペースもいっぱい。
私がお気に入りだったのは、ハンモックのエリア。
森の中にひっそりとあって、鳥の声も聞こえてきます。
遠くに聞こえる音楽と自然の音との融合を、ハンモックに包まれてユラユラしながら聴くのは至福のひとときでした。
そして天気のせいで肌寒かったこともあり、焚き火も大人気。キャンプエリアで火を起こしている方たちももちろんいましたが、公式でも焚き火を何ヶ所か用意してくれていました。その周りでまどろみながら、ライブを聴いている方もいて、ゆったりと過ごしていました。

焚き火にあたりながらチルタイム

5.2日間を通して感じたこと

今年、特に感じたのは子どもがとても多かったということ!
来場者の1/3くらいは子どもと一緒のファミリーではなかったでしょうか。
そして、何人かの方にお話を伺って気づいたのは、リピーターがとても多いということでした。「4回目です」という方に3人も出会いました。
みなさん口を揃えていうのが「子どもが多くて平和なフェスだからまた来たくなる」という言葉。
関西から来たご夫婦は、娘さんがひとりでフェスに行くのでどんなところか行ってみたくなり「FUJI & SUNは平和なフェスだから行きやすいと思うよ」との言葉を受けてやってきたそうです。
5歳のお子さんと来たご家族は、去年も子どもと一緒に来て、子どもが楽しめる工夫がいっぱいあるので、楽しくてまた来たいと言ってくれた、とのこと。

シャボン玉師ONCHIさんの作るシャボン玉は子どもたちに大人気

もちろん「好きなアーティストが出るから」というのは大前提で、中にはFUJI & SUNのアーティストのチョイスには信頼を置いているので、アーティストが発表される前にチケットを買う、という方もいました。
また、行き交う人たちの声に耳を傾けると「トイレがいろんなところにあっていい」「焚き火であったまれるのがいい」「キャンプサイトが近くていい」など、このフェスの良いところを口にしていて、不満を言う人がいなかったのも印象的でした。
「NEC presents FUJI & SUN ’25 」の模様は、8月にWOWOWで放送予定なので、こちらも楽しみです。

  • このみ会

    吉原MAD-DOGs

  • 富士市吉原からやってきました、This is 吉原MAD-DOGs。
    イカツイ名前ですが、郷土研究→郷研→狂犬からきているという、ただの「地元を調べて、知って、楽しみたい」だけの人です。

  • 名称・名前 NEC presents FUJI & SUN '25
    住所 静岡県富士市桑崎1015 富士山こどもの国
    その他 開催日:2025年5月31日(土)、6月1日(日)

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