元吉原地区の素敵なグルメのお店を3つご紹介します。
1.セイント
JR吉原駅南口から徒歩2分。懐かしい佇まいに心揺さぶられるのが喫茶店の「セイント」です。
マスターは、「もうそんなに長くはやらないんだけれど・・・」と言いながら、取材に協力してくれました。常連客に「やめないで」と言われるから、続けているそうです。
昭和48年オープン。オープン当時には従業員は5名。大繁盛で、昭和55年には2階建てに改装し直したといいます。
まだ、携帯電話がない時代、セイントは地元の高校生の溜まり場でした。当時高校生だった人々が今は60代。現在も通い続けている人もいるそうです。
マスターは今年81歳。セイントの前に、別のお店でコーヒーを学び、自分のコーヒーを提供したいとお店をオープンさせました。そのコーヒーはマスターが選び抜いた5種をブレンド。
カウンターで自ら淹れていただける1杯は、どっしりと重みのある、このお店の雰囲気を裏切らない苦味とコクのある味わいでした。
昔はパフェなども提供していたそうですが、今は軽食がいくつか。人気は「ナポリタン」です。りんごやバナナ、玉ねぎなど、20種類もの材料を2日間かけてつくる一品は、隠し味の梅干しがポイントです。
セイント
富士市鈴川町9−30
2.大野屋
富士マリンプールから、車で2分!プール帰りの子どもたちも立ち寄れる、揚げたてコロッケが名物の「大野屋」。
昭和30年開店、創業68年。先代のお母様がこの地で商売をはじめました。
「まちの駅」(まちのお休み処、案内処、まちの交流拠点として富士市に約60箇所)の駅名は「本吉SUMILE」。てっきり「スマイル」なのかと思ったら、読み方は「すみれ」。お店を立ち上げた、今は亡きお母さんのお名前からとった駅名だそうです。
「揚げたてを食べてほしいから」ということで、揚げ置きをしていないため、事前にお電話をいただけると、揚げたてほかほかの揚げ物が食べられます。
遠赤外線のフライヤーでほかほかに揚げたコロッケは、しつこくなく、サクッとした衣とホクホクのお芋の優しい甘みにに至福を感じます。
昨今は、お店を気に入った人々がSNSで拡散し、三島や伊豆など遠方からドライブがてらやってくる人もいるんだとか。
大野屋
富士市大野新田35
3.ビストロイグレック
フランス生活7年半の経験を活かし、2020年10月にフランス家庭料理のお店をオープン。その前進として、2019年から、同じ場所で
月に1回のマルシェを開催していました。
これには、オーナーの山本さんがフランスに住んでいた際に体験し、感じた思いが詰まっています。フランスでは、野菜などをマルシェで購入します。そこでは、「今日こんな料理をつくりたいんだけれどどの種類がいいかな?」と
いう売り手と買い手の会話があり、そこにさらに別のお客さんが入ってきて「その料理ならこんなつくり方をすると美味しかったわよ」などと、会話の輪が広がっていきます。
これがフランスでは日常。一方、日本では多くの場合、スーパーで包装された野菜を購入し、会話は特にありません。今の日本にこそ、「会話」が必要ではないかということで、地域住民の人が交流できる、毎月15日の
マルシェを開催することになりました。
その後、フランス時代に現地のお友達などに教えてもらった家庭料理を振る舞おうと、マルシェ開催と同じ場所に「ビストロイグレックをオープンさせました。
イグレックのお料理は素材からフランスやまたはイタリアの食材を仕入れて使用。手の込んだ料理です。好評の前菜は季節や日によってもメニューが変わります。フランス在住時代に最後にお友達に教えてもらったというキャロット
ラペや、スイスのグリエルチーズを使用したクロックムッシュなど、目にも美しく、食べても美味しいメニューばかり。
デザートは月替わり。そのデザートに合わせて、ハーブの先生がデザートに合ったハーブティーをチョイスしてくれているそうです。お湯を注いで待つ間、華やかな香りが広がり、会話もリラックスしてできそうです。
ビストロイグレック
富士市鈴川東町8−4