• 【コラム】当たり前に自分が実家を相続するものだと思っていませんか?――押さえておきたい“みんなの権利” 

知っているようで知らない相続のこと。知識が不足しているばかりに損をする方もいます。知って得をする正しい知識を、司法書士事務所LINKの山本先生がわかりやすく解説!!

「両親が亡くなったら、この家は当然自分が引き継ぐはず」と思い込んでいませんか。

日本の法律では、親が亡くなった段階で、その配偶者や子どもなど相続人に財産を分ける権利が発生します。

つまり、あなたがたとえ同居してきたとしても、ほかに兄弟姉妹がいる場合は、その人たちにも家を含む財産を受け取る権利があります。 

しかし、いざその時が来ると、「思っていたのと違う」「そもそも話し合いをしたことがない」という行き違いから、家族の間に不信感が生まれてしまうことも少なくありません。

たとえば、「自分が介護や家事を頑張ってきたのに、どうして分けないといけないの?」と思う一方で、別の兄弟は「自分だけ何ももらえないのは納得できない」と感じていたりします。

さらに、誰が不動産を取得するのか、預金は誰が貰うのかといった具体的な遺産の配分を巡ってトラブルになることも多くあります。 

こうしたトラブルを避けるためには、自分が全部を引き継ぐのが当たり前という考えを一度リセットし、家族全員の立場を尊重した話し合いが必要です。

そこでまず大事なのは、**「我が家にはどんな資産があるのか」**を正確に把握すること。

家や土地の情報はもちろん、銀行口座や保険など、お金の流れを全員が共有しておけば、いざ相続が始まってから「実はこんな財産や負債があった」などと驚くリスクを減らせます。 

また、実家を確実に自分が相続したい場合などは、早めに遺言書を作成しておくのが最もオススメかつ確実な方法です。

親御さんが元気なうちに、遺言書を作成して貰えれば、相続で大きな争いになる可能性をぐっと下げられます。

反対に、遺言書がまったくない状態だと、法律上の分け方をめぐって手続きが複雑になったり、想定外の相続人から主張が出たりすることも考えられます。 

遺言書は認知症などで意思の判断ができなくなると作成が難しくなります。 


まとめ

もし、「自分の家はどうなるのだろう」「兄弟と意見が合わないかもしれない」と不安を感じたら、専門家である司法書士に早めに相談してみてください。相続に必要な戸籍や登記情報の確認、遺言書の書き方、将来的な名義変更の流れなど、具体的なアドバイスを得ることで、今からできる対策がきっと見えてきます。 親御さんの思い出が詰まった実家を、争いごとなく次の世代へつなぐために、まずは「当然自分のもの」と決めつけず、家族全員で情報を共有し、どう分けるのがベストなのかを考えてみましょう。そして、「いざというとき、もっと早く動いていれば」と後悔しないためにも、遺言書の作成や事前の手続きを、ぜひご検討ください。何か気になることがあれば、お気軽に司法書士にご相談いただければと思います。


相続のご相談は「司法書士事務所LINK」

司法書士事務所LINKは、開業以来相続に特化して業務を行っています。認知症対策や相続対策を含む幅広い知識で依頼者の人生をサポートします。お気軽にご相談ください。

  • 司法書士・家族信託専門士

    山本 真吾

  • 経歴:明治大学法学部 卒業 資格:司法書士、宅地建物取引士、家族信託専門士、簿記検定2級、弓道弐段 趣味:読書、ドライブ

  • 名称・名前 司法書士事務所LINK
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