ランニングはどんなシューズを履くかが重要だと思いますが、さらに靴下によって走りが変わるって知っていますか?
静岡県のランニングイベントで上位入賞者のランニングソックスに着目すると、不思議な形の(小指が離れている)靴下を履いている人を何人も見かけます。その靴下こそが今回ご紹介するランニングソックス。その名も「ラクちんソックス」です。
このランニングソックスは富士宮市小泉の若葉治療院内にあるまぼろし工房で作られています。
私の高校生の息子(陸上部)もこのランニングソックスの愛用者。大事な試合を前にシンスプリント(スネの内側の痛み)に悩まされていましたがこの靴下に救われたのでした。
これを履くとレースの後半まで足が上がり安定して走れるうえ、スネの痛みが軽減するといいます。では、「ラクちんソックス」はなぜ速く走れるのでしょうか?
1.「ラクちんソックス」のひみつ
「ラクちんソックス」はなぜ速く走れるのですか?
この靴下は小指の下の部分だけ厚くなっています。
この部分(アーチパット)で足の疲れや怪我の原因にもなるアーチの崩れを軽減し、身体のバランスを整えます。アーチを保つことで衝撃の吸収や足首の負担を和らげることができるのです。(体操部、サッカー部、バレー部、バスケ部でも愛用者増加中)
また小指は体のバランスをとる上で非常に重要。この靴下は小指で踏ん張れるので片足でもグラつかずしっかりと立っていられます。※「アーチパット」は特許を取得。
2. まぼろし工房って何?
まぼろし工房について教えてください
まぼろし工房は、民間ランナー中心の集団です。(平均月300km走行)「自分たちの足のことは自分たちで考える」という信念のもと、自分・仲間・子どもたちの足をどうすれば守れるのかを考え、体験と実走を繰り返しながら研究を開始。ランニングのみならず、日常生活や仕事をラクにすることも大きなテーマです。怪我や故障で悩む多くの方のためにも、走った距離を力に変えてこれからも開発を続けていきます。
3.「ラクちんソックス」の楽じゃない誕生秘話
治療院で靴下を作っているのはなぜですか?
「ラクちんソックス」はインソール開発から誕生しました。
某有名ブランドの厚底シューズで、膝・スネ・足底を故障するランナーが激増したので、最初は厚底ランニングシューズを快適に履けるインソールの研究をしていました。
あるとき足の小指が大事であるとわかり、小指を自由にする方法を検討していたところ、赤池さんという患者さんから「靴下にすればいいじゃん!」と助言を受けたのだそう。
インソールではなく靴下だと確信して、小指の離れた靴下を試作します。
近藤先生の息子さんや友人達(当時沼津高専の学生)の力も借りながらAIを使用した多くのデータを集め、ある一定の法則を発見。特許を取得しました。
4.靴下を作る工場が見つからない
特許をとった近藤先生はOEM(他社から依頼されたものを作る工場)を総当たりしますが、半年間相談した工場全てに「手間がかかる、難しい」と断られます。
ようやく奈良にある1件の工場で受けてくれることになりました。しかし、製造コストが高すぎる…。1足3000円以上の靴下を誰が購入してくれるのか?
もう辞めようと思っていたとき、
ある大学教授から激励されたそうです。
「3000円でも欲しい人はいる。おじけずくのはやめてください。研究を見せびらかしただけですか?ここまで知ってて特許まで取って保身で売らないのは臆病です」と。
この言葉に奮起した近藤先生はクラウドファンディングにチャレンジし、無事資金を集めることができて小指の離れた靴下の試作品1号がようやく完成したのです。
5.この靴下が自衛隊の間で話題に
自衛隊員は重たい安全靴(片足800g)を履いて40kmもの道のりを歩かなければならず、足腰の疲労感に悩んでいましたが、この靴下を試したところ、疲れにくくなり、特に安全靴でしゃがめると喜ばれたそうです。
6.日本のナイキになりたい
ナイキという企業はユーザーの声を元に商品の改良を繰り返し、今の地位を築き上げました。
「ラクちんソックス」は改良を繰り返し、今ではプロアスリートからも選ばれる靴下になりました。
ユーザーとともに今後もトライアンドエラーを繰り返し、ケガを予防できるものを届けたいとお話ししてくださったのが印象的でした。
7.「ラクちんソックス」はランナー以外にも人気!
この写真を見ると、靴下をはく前とはいた後の可動域が違うことが分かります。
評判が広まり「ラクちんソックス」はランナーだけでなく地元のおじいちゃんおばあちゃんにも人気が広がっています。
靴下の販売を開始したら患者さんが減ってしまったそうで…
「これを履いてると調子がいい!」と定期的に来ていた患者さんが来なくなったのだとか。
8.おばあちゃんに「ラクちんソックス」履かせてみた!
膝の痛みに悩む福岡の祖母に靴下をプレゼントしてみたら「ばあちゃんが田んぼの溝をジャンプして飛び越えたからビックリした!」と母から報告がありました(笑)
にわかランナーの私(月間走行距離30km)でもラクちんソックスを履くと楽に走れる感じがします。10キロ以上の距離を走った時の疲労感が違うのです。
気になる方はとりあえず履いてみて、この変化を体感してみることが「ラクちんソックス」を理解する一番の近道だと思います。
9.ランニングソックスのまとめ
「ラクちんソックス」はアーチパット構造(特許取得)によりグラつかず足の接地の衝撃を緩和。ケガの予防を目指すことを目的に開発された靴下です。
1足3000円というお値段は決して安くはないですが、この靴下をぜひ作り続けてほしくて、今回ご紹介しました。
この記事がきっかけで、ケガなく楽しくランニングなどの活動ができる方が増えたら嬉しいです。
「ラクちんソックス」のさらに詳しいお話はまぼろし工房のHPをご参照ください。
HP内にあるショップまたは公式LINE のリンクから購入可能です。
1995年に静岡県富士宮市で「若葉治療院」を開業。
一般患者の治療に加え、スポーツトレーナーとしても活動を行う。
特に競輪競技に注力する一方で、スズキ浜松陸上部や三菱電機のスピードスケートなど他のプロスポーツトレーナーとしても活動中。(平成25年に個人事業から法人化し、現在の(株)一期一会となる)
PROFILE
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このみ会
エリ
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フリーランスのwebデザイン&ライター。
屋号のCheer Waveは、お仕事にいい波がくるという想いをこめました。
ロゴ名刺HP公式LINEなどを制作。お客様とイメージを丁寧にお伺いし、一緒につくりあげます。
Instagram:https://www.instagram.com/cheer_wave
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名称・名前 まぼろし工房(株式会社 一期一会)近藤 祐司 住所 富士宮市西小泉町21-2(若葉治療院内) HP https://www.maborosi.jp