
はじめに
皆さんは「木こり」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?
私の中では、白雪姫に出てくる三角帽子の小人たちのような、どこか現実味のない存在でした。正直、「かっこいい」と思ったこともありませんでした。
実は、富士市には本物の木こりがいます。
私は「富士市の木こり体験」を通じて彼らの仕事に触れ、そのイメージが大きく変わりました。AIや機械が発展する時代においても、木こりの仕事は人間にしかできない、かけがえのない仕事なのだと実感したのです。
本記事では、木こりの重要な仕事である間伐作業に焦点を当て、その魅力を紹介します。
この記事を通じて、木こりに会ってみたい、山へ行ってみたいと感じてもらえたら嬉しいです。特に、働く車が大好きな小さなお子さんにもワクワクしながら読んでもらえる内容です。
“木こり”とは

木こりとは、山で木を伐採し、森を守りながら木材を生産する仕事をしている人のことです。木を切るだけでなく、森林を適切に管理し、次の世代に豊かな森を引き継ぐ重要な役割を担っています。
1.森林調査

森の状態を確認し、伐採する木を選びます。
実際に木こりが伐採作業を行う場面を目の当たりにすることはありませんでしたが、その現場には緊迫した雰囲気が漂っていました。安全性を確保するために、複数の木こりが時間をかけて慎重に確認を行い、あらゆるリスクを避けるための準備を整えている様子が伝わってきました。
2.伐採作業


木こりが チェーンソー を使い、大きな木を慎重に伐る。木が倒れる方向を計算し、森の他の木や作業員に影響が出ないように調整する。
一本の大木が倒れる音と地響きは離れて見学していても大迫力でした。
3.枝払い・玉切り

木を伐採した後、余分な枝を取り除く作業を 「枝払い」、幹を運びやすい長さに切り分ける作業を 「玉切り」 といいます。
近年は ハーベスタ という大型機械が効率的に作業を進めていますが、地形や木の状態によっては手作業が不可欠です。木こりの経験や直感が求められる場面では、機械だけでなく人の技術が活かされています。
森の中に響き渡る重機の音。まるで怪獣が樹木に噛みついているかのような迫力ある光景に圧倒され、少し怖さを感じました。そして同時に、人間が森に手を加え、自然を変えていく現実を改めて実感しました。
4.搬出作業

切った木は、フォワーダやスキッダーという特殊な車両で運び出されます。フォワーダは、木材をつかんで荷台に積み込み、スキッダーは、木を引きずって移動させる役割を担っています。
大きな木が力強く運ばれる様子は、まるで森の中の工事現場のようにダイナミック。これらの機械は、効率的かつ安全に木材を運搬するための重要な存在です。
このように、木こりの仕事にはさまざまな働く車が登場し、それぞれが重要な役割を担っていました。その様子は、まさに自然と機械の共演でした。
5.森林管理

大量に植えられた木々は、適切に管理されず放置されると山崩れの原因になります。木こりの仕事は単なる伐採ではなく、未来に豊かな森を残す大切な役割を担っています。
現在伐採される木は約70年前に芽吹いたもので、その歴史に感銘を受けました。近年は大木ではなく細い木の需要が高まり、環境に配慮した管理が求められています。
富士市の木材は溶岩地帯で育つため年輪が細かく詰まり、貴重な資源です。林業は自然と共存し、次世代へ森を受け継ぐ重要な仕事であると実感しました。
木こりからのプレゼント

木こり体験を終え、バスへ向かう際に、木こりから嬉しいサプライズがありました。それは、目の前で伐採されたばかりの木を使ったコースターのプレゼントでした。機械を使って伐採された木でも、建築資材や家具、おもちゃなどになるためには、さらに多くの作業が必要だという現実を感じました。その荒々しい形状から、木がどれだけ手間をかけて変わり、命を繋いでいくのかを強く実感できる、感慨深いプレゼントでした。
富士市の林業体験・イベント
富士市では、林業に触れ、木こりに出会い学べるさまざまな体験やイベントが開催されています。
実際に木こりの仕事を体験したり、木を使ったものづくりに挑戦したりすることができます。子どもから大人まで楽しめるプログラムが揃っており、親子で森と木の魅力を学ぶ貴重な機会となっています。
「富士市 林業」で検索してみてください。
木こりの魅力を感じた一日

体験当日は秋の雨の日。街より一段と寒く、バスを降りると道はぬかるみ、歩くのもやっとでした。家から出るのが億劫になるような天気でしたが、こんな日でも外で作業を続ける木こりの皆さんに、心から敬意を抱きました。
重機の迫力ある音、伐採された木の香り——五感で感じる林業の現場には、言葉では伝えきれない感動がありました。しかし、何より印象に残ったのは、木こりの皆さんの笑顔です。
泥だらけの服やゴーグルなど、厳しい環境の中でも、私たちに汚れがつかないよう気遣ってくれる優しさ。そんな人間味あふれる姿に、心が温まりました。
これまで空想の中で描いていた「木こり」という職業は、実際には優しく、かっこよく、尊敬すべき仕事でした。この木こりたちが富士市にいることを誇りに思います。
ぜひ、皆さんも実際に木こりに会いに行き、私が感じたこの感動を体験してみてください。
PROFILE
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このみ会
Jun(ジュン)
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神戸市出身、富士市在住。フリーのフォトグラファー・建築デザイナー。
富士市にしかないこの街の面白いモノ・コトを写真を撮ることが趣味。
お洋服・インテリア・雑貨・文房具が大好きで、
必ずしも生きていく上で必要ではないものにこそ、
心を豊かにする価値があると考えている。
Instagram:https://www.instagram.com/apostrophe_i/
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名称・名前 株式会社 森林業 住所 富士市大渕6978-1 電話 0545-35-1335 営業時間 7:00~16:00 定休日 日曜日・祝日 HP https://mori-rin.jp/