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頼朝&曽我兄弟と巡るデジタル史跡スタンプラリー「富嶽綺譚」で富士市の歴史に想いを馳せよう!

ただいま富士市では「頼朝&曽我兄弟と巡るデジタル史跡ラリー」を開催しています。
その名も華麗な「富嶽綺譚-FUGAKU KITAN-」!!
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を観て以来、源頼朝と曽我兄弟が富士市にゆかりのある人物だと知って興味津々の私は、さっそくデジタル史跡ラリーに行ってきました!

1.「富嶽綺譚〜頼朝&曽我兄弟と巡るデジタル史跡ラリー〜」とは?
富士市には全国的にも知られている歴史上の出来事「富士川の戦い」や「富士の巻狩り」「曽我兄弟の仇討ち」にちなんだ史跡が点在しています。
その歴史上の出来事に登場するのが、鎌倉幕府を開いた源頼朝と、歌舞伎の演目としても有名な兄・曽我十郎祐成、弟・曽我五郎時致の曽我兄弟。彼らゆかりの史跡や伝承の地を巡りながら、3人がイメージキャラクターとなって描かれたデジタルスタンプをゲットするイベントです。
つまり、富士の地で800年以上語り継がれ、大事にされてきた史跡や伝承を、頼朝や曽我兄弟らとともに巡り、悠久の歴史に想いを馳せるスタンプラリー、それが「富嶽綺譚〜頼朝&曽我兄弟と巡るデジタル史跡ラリー〜」なのです。
しかも、イメージキャラクターをデザインしたのが、大人気オンラインゲーム「刀剣乱舞ONLINE」で、源頼朝の刀「髭切」と曽我五郎の刀「膝丸」のキャラクターデザインを担当したシラノ氏!
このキャラクターはスタンプラリーオリジナルデザインということで、「刀剣乱舞」界隈ではじわじわと盛り上がっているようです。

2.デジタルスタンプラリーをするには
出発するにあたり、デジタルスタンプラリーの準備をしました。
チラシにある参加方法をみると
①スマートフォンに静岡県公式観光アプリ「TIPS」をダウンロード
②TIPSスタンプラリーのバナーから「富嶽綺譚」を選択
③位置情報を有効にして、史跡ポイントに着いたら史跡の紹介文を読んで、キーワードをこたえてスタンプをゲットしよう
とのことで、さっそくアプリをダウンロード。
そして、富士市ホームページの関連ページ をのぞいてみると、頼朝や曽我兄弟と一緒に写真が撮れるARフォトフレームを発見!
また、モデルコースの設定もあり、リンクを開くと地図アプリに移動し、史跡ポイントとルートが表示されます。
3.さぁ、「富嶽綺譚」の世界へ!
私は、3つあるモデルコースの中から「新しい時代を作る!頼朝コース」をチョイス。
「鎌倉殿の13人」から興味をもち、頼朝を演じた大泉洋さんのファンであることからこちらを選びました。
そして何より「頼朝コース」のある吉永、原田地区は湧水の豊富な場所!今年の夏の暑さは尋常ではないので、湧水から少しでも涼を取りたいと思ったのです。
このコースはデジタルスタンプラリー史跡グループの「富士川の戦い」と「富士の巻狩り」で構成されているので、アプリで検索する時には「富士川」と「巻狩り」のチェックボックスにチェックを入れるのが良さそうです。
ここで簡単に「富士川の戦い」と「富士の巻狩り」を説明すると…
富士川の戦いとは…
治承4年の10月、西に平氏、東に源頼朝率いる源氏が陣取り、富士川をはさんで対峙した。源氏軍が平氏軍の背後から襲撃しようとすると、その物音に驚いた水鳥が一斉に飛び立ち、その飛び立つ音に驚いた平氏が恐れおののいて、戦わずして逃げ出した。
富士の巻狩りとは…
征夷大将軍となった源頼朝が富士の裾野でおこなった大規模な軍事演習。その最中に、日本三大仇討ちのひとつといわれる「曽我兄弟の仇討ち」事件が起こった。
ちなみにこの2つの出来事は、新富士駅の改札前の壁画にもなっています。

4.「頼朝コース」へGO!
「頼朝コース」は岳南電車比奈駅から春日神社→御崎神社→滝川神社→鎧ヶ淵→飯森浅間神社→呼子坂を通って岳南原田駅に着くコース。駐車場が少なく、徒歩でまわることが推奨されていたので、岳南電車で現地まで行き、歩いてまわります。

まずは、岳南電車を比奈駅で降りて春日神社へ。
比奈駅からは歩いて数分でした。シラノさんが描いた頼朝&曽我兄弟のノボリが目印です。
デジタルスタンプをゲットするため、アプリを開きます。
史跡ポイントから春日神社を選んで詳細をクリックすると…
史跡の解説、そしてキーワードを入力するための問題が出てきます。問題を読み、キーワードを入力すると、晴れてデジタルスタンプをゲットできました!
デジタルスタンプをゲットするためのキーワードは、史跡ポイントの近くに行かないと表示されません。スマホの位置情報を許可することをお忘れなく。
解説を読み返してみると、ここ春日神社は「富士川の戦いで、頼朝が米を奉納し戦勝祈願をした。また、巻狩りの際も、献米したといわれている」とのこと。
ちゃんとお礼参りをするあたり、頼朝は律儀なタイプみたいですね。打倒平氏の要となる大きな戦に勝てたことが嬉しかったのかもしれません。
ところでこの春日神社、私のお気に入りの神社なのです。
どこがお気に入りかというと…ここの狛犬は鹿なのです!
賽銭箱の上の向拝にも鹿がいました。かわいいなぁと思ってじーっと眺めてしまいます。


続いて次の史跡ポイント御崎神社へ。
神社の前に御崎という名前の由来が書かれた碑と、姫名の里と書かれた碑が立っていました。
姫というのはかぐや姫のこと。このあたりの吉永地区は「ロマンと泉の郷」と呼ばれ、頼朝だけでなく、かぐや姫など、さまざまな伝説が語り継がれる場所です。
アプリからも史跡の解説は読めますが、史跡に設置してある案内板を読むとより深く知ることができ、遠い歴史に思いを馳せることができるかもしれません。
大昔、この場所は浮島沼の岬であったことから「みさき」の名前がついたよう。かつては見晴らしのいい場所であり、源氏軍の見張り場の役割もあったようです。

続いて、滝川神社へ。
この神社は下方五社のひとつで、このあたりでは比較的大きな神社です。昭和の頃には草競馬をやっていて、開催日は大変なにぎわいだったそう。
ここでも頼朝は戦勝祈願をし、巻狩りの際には金の玉を奉納したといわれています。その大きさは直径5寸(15cmくらい)!
以前、訪れた時にお話をうかがったところ、今はもう、神社に金の玉はなく、その昔、改築か何かの時に紛失してしまったんだとか。
頼朝の缶バッジがもらえる景品交換所の「交流センターはらだ」はこの滝川神社の裏手にあります。
ではここで、満を持してARフォトフレームを使ってみましょう。

次は鎧ヶ淵へ向かいます。
このあたりの道のりは道路の下を豊富な湧水が音を立てて流れていて、水の上を歩くとひんやりします。
頼朝コースから少しルートがはずれますが、滝川神社から鎧ヶ淵に向かう途中にある滝不動にも寄ってみてください。
吉永や原田地区には水源地が数多く点在していますが、ここもそのひとつ。鳥居をくぐるだけで別次元の涼しさです。全身で滝の水を受ける不動さんの姿には、思わず手を合わせたくなります。

滝不動から下って永明寺を過ぎると鎧ヶ淵があります。
ここも水源地のひとつ。きれいな水が湧き出しています。
触ってみると、スーッと冷たい。
湧水は年間通して水温が保たれていて、だいたい12〜15℃くらい。足をつけてみると冷たくって1分とつけていられない程です。私は湧水に足を浸すと3日間は涼しくいられます(あくまで個人の感想です)。
またここでARフォトフレームを使ってみましょう。
頼朝は富士川の戦いの時、この淵の岩に鎧(よろい)をかけて身体を洗ったそう。

ここから次の目的地、飯森浅間神社までは少し歩きます。
コース全体を通して細い道を通るので車には気をつけて歩きましょう。少し懐かしい感じのする街並みを歩くのも楽しいです。(朝ドラ「ひよっこ」の主人公が勤めていた工場として、外観が使われた工場も近くにあります)

飯森浅間神社は原田公園の西のはずれにあります。
原田公園も夏期は水遊びのできる場所があります。トイレもあるので休憩するのにぴったりの場所です。

ところで私は神社に行くと、寄附した人の名簿を見ることがあります。このあたりの神社の名簿を見ると、製紙会社が多いことに気が付きます。
豊富な湧水を使って紙を作るため、このあたりには製紙会社が多いのですが、豊富な湧水があったからこそ、人が住み、神社が置かれ、さまざまな伝承が語り継がれたのだろうと思うと、今と昔はつながっているなぁと感じられます。こういった発見があるから史跡巡りは楽しいです。


源氏軍が食糧を置き、それを兵が守った場所といわれる飯森浅間神社を後にし、いよいよ頼朝コース最後の目的地、呼子坂へ。
ここで源氏軍が兵を集めるための呼子を吹いたことから、その名前がついたそう。「よびこざか」と読みます。
ちなみに隣の清岩寺は、頼朝の義父(つまり北条政子の父)で有力御家人の北条時政ゆかりのお寺という説があるそうです。
「頼朝コース」を全部まわり終え、デジタルスタンプを6個もらいました!デジタルスタンプを2個以上獲得すると缶バッジがもらえます。
頼朝の缶バッジをもらうため、岳南原田駅から再び比奈駅に戻り、コーヒーハウスロッキーへ。
せっかくなので、ロッキーオリジナルメニューのポテトピザをいただきました。


5.おわりに
教科書で見ていた源頼朝が私たちのまちを歩いていたかもしれない、と思うとそれだけでワクワクしました。
それと同時に、800年前、私たちの町は戦場だったんだ、と思うとゾッとしました。デジタルラリーをまわった日が8月9日だったこともあり、戦勝祈願ではなく世界平和を願いながら参拝しました。
実際に史跡をまわることで、昔と今がつながり、昔の人々を身近に感じられたように思います。
そして、これらの伝承を語り継いできた人々の歴史にも思いを馳せました。
モデルコースは頼朝コースのほかに、曽我コースと自転車コースがあり、コース以外にもラリーポイントとなる史跡があります。
これから関連イベントもあるようなので、文化財課公式SNS(X、Instagram)もチェックしてみてください。アプリ設定からサポートしてくれるツアーも開催されるようですよ。
そして頼朝&曽我兄弟らイメージキャラクターが、今後どのような活躍をするのかも楽しみです!
PROFILE
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このみ会
吉原MAD-DOGs
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富士市吉原からやってきました、This is 吉原MAD-DOGs。
イカツイ名前ですが、郷土研究→郷研→狂犬からきているという、ただの「地元を調べて、知って、楽しみたい」だけの人です。
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名称・名前 富嶽綺譚〜頼朝&曽我兄弟と巡るデジタル史跡ラリー〜 住所 富士市内全域 電話 0545-30-7850(富士市教育委員会文化財課) その他 開催期間:2025年7月28日〜2026年3月1日 / 備考:スタンプ2個以上獲得でオリジナル缶バッジ、スタンプ10個以上獲得でオリジナルクリアファイルの景品あり。 史跡の多くは駐車場がないので、できる限り、徒歩や自転車、公共交通機関などを活用してください。 問い合わせは富士市教育委員会文化財課(0545-30-7850)へ。